意外と知られていない共同開発契約書、秘密保持契約書等の秘密情報の注意点について説明します。

 1.秘密情報の注意点とは 

契約書の中の秘密(機密)情報を定義している場合、秘密情報を定義した後に、下記の用に、公知技術や契約前から保有していた自社技術等は、秘密情報から除くという項目が入っています。

※ 但し、次の各号の何れかに該当する情報は除く

  1. 開示の時点で既に公知のもの、又は、開示後情報を受領者の責によらずして公知になったもの
  2. 第三者から秘密保持義務を負うことなく正当に入手したもの
  3. 開示の時点で既に保有しているもの
  4. 開示された情報によらずして、独自に開発したもの

※そして、この中で注意しなければならないのが、4の独自に開発した技術です。

秘密情報から除いた情報とは、自由に使える公知情報を意味します。従って、独自に開発した技術を、うっかりと相手に紹介してしまうと、紹介した時点でそれらの情報は、自社の秘密情報から公知情報となってしまいます。

 2.対 応 策 

  1. 技術の内容をまとめ、確定日付によるノウハウ保護を行う。

  2. 技術の特許出願を行えるものは出願する。

  3. 相手方に独自技術や自社で保有していた技術であることを伝え、相手方と技術に関する情報を共同開発契約の秘密情報として扱うといった内容の覚書を結んでから、技術を紹介します。

このようにa〜cという手順で、しっかりと権利の保護等を行っていれば、公知情報とはなりません。ノウハウ情報等を相手に伝えるときは注意して下さい。