共同開発を行い何か新しい製品ができた場合、特許出願をどうするのかという問題が発生します。

 そこで、共同開発相手と、どのように特許を取り扱えば良いかを説明します。

 1.材料メーカーと部品メーカー 

材料メーカーと部品メーカーの共同開発では、それぞれの利益を考えて、材料メーカーは○○な組成物等の材料の組成特許を出願し、部品メーカーはその材料の特性を使った部品の特許を出願します。

 2.材料メーカーと製品メーカー 

製品メーカーはできあがる製品について、材料メーカーに情報を明かすことはないので、材料メーカーは材料についての出願しかできません。そのため、共同開発に関する特許の取り扱い問題はあまり発生しません。

 3.部品メーカーと製品メーカー 

製品メーカーが部品メーカーに設計委託しない限り、部品メーカーは、その部品がどのような装置として、どんな製品に組み込まれるかわかりませんので、部品の出願しかできません。そのため、製品メーカーが共同で出願しようといってこない限りは、共同開発による特許の取り扱い問題はあまり発生しません。

ここに紹介したケースは、業界によってはあてはまらないこともあるでしょうが、材料メーカーと部品メーカーのように、メーカーとしての立場が違えば、共同出願に対する考え方が違うということがわかって頂ければ幸いです。